わたしたちのパンについて
こんにちは。
阿蘇の麓、西原村の小さな集落から、この文章を書いています。
わたしたちは、11年前にイタリアで訪れた農家さんの景色が忘れられず、関東からこの自然豊かな熊本に越して、県産の材料を使ったパンを焼いています。
その時に、イタリアの農家さんから分けてもらって育て続けている自然酵母、熊本県菊池産の有機小麦、阿蘇西原村の湧水、汚染の少ないと言われているオーストラリア・シャークベイの天日塩のみで作った、とても素朴な田舎パンです。
わたしがパン作りを教えてもらったイタリア中部では、塩味も酸味も少ないパンを日常的に食べられます。
食事用のパンなので、塩味は控えめ。
乳酸発酵でゆっくりグルテンを分解してくれているので消化に優しく、ほのかなヨーグルトのような香りがするパンです。
イタリア中部では、お料理に添えるテーブルブレットとしてはもちろんですが、このパンを食材に料理を作ります。中部料理には、この少し物足りないパンがとても大切な存在なのです。
ワイン作りはイタリアから始まったと言われ、品種、生産量ともに世界で一番多いと言われています。
長い歴史から、イタリアパンとワインは切っても切れない関係なんですね。
おそらく、あなたがどこかで食べられたカンパーニュより、水分も少なく、素朴で、固いパンかもしれません。
パンが届いたら、所定の方法でぜひ温め直して、温かなうちにオリーブオイルをたらりとかけてお召し上がりください。
このパンの理由がわかっていただけるかもしれません。